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肝臓研究班/非アルコール性脂肪性肝疾患

非アルコール性脂肪性肝疾患 (nonalcoholic fatty liver disease: NAFLD) はメタボリック症候群が肝臓に現れた病気です。生活様式の欧米化によりメタボリック症候群は増加しており、それに伴いNAFLDも増加しています。NAFLDは本邦で約2000万人程度と推測され、その中には肝硬変・肝癌へ進行する危険のある非アルコール性脂肪肝炎 (nonalcoholic steatohepatitis: NASH) が分類され、大きな問題となっています。またNASHは肝硬変や肝癌だけでなく心筋梗塞や脳卒中、他の臓器の癌のリスクも高めることが知られています。しかし、肝臓は沈黙の臓器といわれるように、NASHであっても無症状のため気づかない間に進行する危険があります。健康診断などで脂肪肝や肝機能異常を指摘された場合は精密検査を受診することが勧められます。

1. スクリーニング検査

 NAFLDは主にメタボリック症候群を背景に発症しますが、中には肥満でなくてもNAFLD/NASHと診断されることもあります。健診等で肝機能異常を指摘された場合は、腹部超音波検査を用いてNAFLDの有無を確認することが重要です。
特に、20歳から体重が10kg以上増加している方糖尿病や高血圧、脂質異常症の治療中の方血小板数が徐々に低下している方は精密検査を行いましょう。

2. 大学病院での精密検査

 NAFLDにおいては肝臓の線維化(硬くなっているかどうか)が最も重要な所見となります。肝臓の線維化はまず外来にて採血(線維化マーカー)やフィブロスキャンを用いて評価します。フィブロスキャンとは、超音波検査のように痛みがなく5分程度で行う検査です。肝臓内の脂肪の程度や、肝臓の硬さを数値で知ることができます。妊娠中やペースメーカー挿入中の方は行うことができません。 これらの検査で肝臓の線維化が進んでいることが疑われた方には肝生検で確定診断をすることをお勧めしています。肝生検は診断、進行度の把握、治療方針の決定のための第一手段となっており当院でも多く行っています。当院では1泊2日の入院で行っています。

3. 脂肪肝専門外来

 かかりつけ医の先生からのご紹介で予約していただくことができます。 問診、採血、腹部超音波検査、フィブロスキャン等を行います。またInBodyという体組成計を用いて、脂肪量、筋肉量を評価します。InBodyにより今、問題となっているサルコペニアの評価も行っています。 そのうえでそれぞれの患者さんごとに適切な食事、運動療法を行います。管理栄養士による栄養指導のほか、合併症についても他の診療科と協力して治療にあたります。 また、さまざまな臨床試験、治験などにも積極的に参加しています。ご紹介いただいたかかりつけ医の先生方とは緊密に連携し治療を進めてまいります。

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